Fahrenheit -華氏- Ⅱ

 

運命に惑わされ、陰謀に溺れて

 

 

■Heart sound(心音)■

 

 

 

 

 

 

 

*Heart sound*

 

 

 

A person I love

(大好きな人)

 

 

Important person

(大切な人)

 

Irreplaceable person

(かけがえのない人)

 

Just listen to that person's heartbeat

(その人の鼓動を聞くと)

 

 

By itself

(それだけで)

 

Feel relieved

(安心する)

 

 

Thank you for being alive

(生きててくれてありがとう)

 

 

Put your hands on my chest

(胸に手を当てて)

 

 

First

(まずは)

 

 

 

Please say to yourself

(自分に言ってあげて?)

 

 

 

 

 

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俺はマックスに似てたのか……だから瑠華に好きになってもらったってこと??

 

 

ずーん…と気落ちしてることも知らず

 

 

「でも、アイツ瑠華に一目惚れしたの。

 

 

良くあるじゃない?遊びと本気は違うって、あれじゃない??」

 

 

いや、俺は遊びでもかなりタイプではあるが、そこまで一緒!

 

 

ちょっと…ちょっと、ちょっとちょっと!!俺は自分の行動を思い起こす意味で胸に手を当てた。もしかして、もしかしなくても、精神的双子!?

 

 

思った以上にドキドキしてる……ケドそれは良い意味でのドキドキじゃなく悪い意味で…

 

 

「瑠華はまぁ、モテる方で。でもそれほど恋愛してたわけじゃなくてね、元カレは一人だけ居たけど…」

 

 

心音ちゃんの話に寄れば瑠華の元カレは高校時代のクラスメイトで、心音ちゃんも同じ高校だったが、本人曰く記憶が薄いから冴えない感じで、付き合いも大したロマンチックなものじゃなかったらしい。

 

 

初めて聞く瑠華の過去の恋……

 

 

マックス以前にもちゃんと……

 

 

 

 

 

―――恋

 

 

 

 

してたんだな…

 

 

その後、瑠華が大学に進学すると(元カレは違う大学)何となく疎遠になり、自然消滅したらしい。

 

 

そっか……まぁありがちだよな。俺もはじめて付き合ったのは中学生だったけど、そのときの彼女とは高校進学のときに何となく疎遠になっちまってそれきり……今はどこで何をしてるのかサッパリだ。

 

 

「Maxが瑠華に真剣になるなんて予想外だったわ。遊び相手にも選ばれないって言う自信はあったから」

 

 

「心音ちゃんとマックスとはどうゆう……関係だったの?」

 

 

俺がおずおずと聞いた。

 

 

 

 

 

「あたし?

 

 

あたしはMaxの兄貴のJoshuaと付き合ってたの。だから親しくしてただけ」

 

 

 

 

 

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ジョシュア―――…

 

 

はじめて耳にする名前だ。マックスは次男だからつまり、兄貴であるジョシュアがヴァレンタインの次期総帥ってワケか。

 

 

「てか、過去形?」

 

 

笑っていいのか分からなかったが、何故だかそうするのが一番妥当だと思えた。

 

 

心音ちゃんはきっとそのジョシュアと言うオトコと別れたんだろう。

 

 

でも、ちっとも悲しそうじゃないし。

 

 

「そ。過去形。別れて……まだ数か月」

 

 

心音ちゃんは明るくキッパリと言いきった。

 

 

心音ちゃんにとってそのジョシュアとの別れは大した出来事ではなさそうだ。まるで拾った飼い犬が逃げ出した、けどまぁどこかで元気にやってるでしょ?的な感覚に思える。

 

 

心音ちゃんがワイングラスを傾け、一口ワインを喉に通して

 

 

「でもね、幾らあたしとMaxが未だに付き合いがあるとは言え、独りで参加するのは癪に触るワケ。

 

 

だってそのparty、Joshも参加するし、しかもアイツは富豪の娘と婚約したばかり。

 

 

悔しいからアクセサリーをね」

 

 

心音ちゃんはまたも悪戯っぽく笑って一台のノートPCを俺に見せてくれた。俺は閉じられたノートPCがほんのちょっと気になったが、その考えがすぐに吹き飛んだ。

 

 

心音ちゃんは「アクセサリー」だと言った。ネックレスやピアス、ブレスレットの類を探していると思って居たが見せられた画像は

 

 

 

 

何人かの男の写真だったからだ。

 

 

 

 

 

 

いや…

 

 

いやいやいや!

 

 

 

 

 

 

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